紅 kure-nai
- 作者: 片山憲太郎,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/20
- メディア: 文庫
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「昔、お母様は、わたしにたくさんキスをしてくれた。なぜかと尋ねたら、大切なものにはキスをするのだと教えてくれた。そして、お母様は言ったのだ」
いつかあなたも大切なものを見つけたら、キスをしてあげなさい。
それは、母が娘に贈った言葉。
この世の心理。
「わたしは、見つけた」
”揉め事処理屋”の主人公は、家出人を探したり落書きの常習犯を捕まえたりといった細々とした仕事で日々を暮らしていた。そんなある日、大財閥の娘の護衛を頼まれ、怪しすぎるものの娘の瞳を見て、仕事を請けることにしたが……という話。
メガネ幼馴染に、弁当作ってくれる姉弟子に、無理矢理アダルトビデオを貸してくるお隣さん。しまいには7歳の女の子と同居。こんな感じの全体的にほのぼのとしたストーリー……なわけがない。勿論そういう要素もあるけど、やっぱり殺伐としてる。初っ端にストーカー被害者の視点を持ってくるのは、そういう世界だということを分からせるためかな。
印象深いのは、やっぱり引用文あたりとか、九鳳院蓮丈の威圧感とか。爺ちゃんマジ怖い。そして当然、紫の可愛さ。聡明だけど無知なことも多いって子供は大概好きになるんだけど、これはそんなレベルじゃない。可愛すぎる。なるほど、これが俗に言うロリ御三家か……と納得の出来。
「電波的な彼女」 の時代から数年前、ということで色々とリンクしてる箇所があって楽しい。特に紅香が、なんかこう、雲の上の人というか、途方もなく強い人になってるのが。これがエプロン着て何やかや言い出すのかと思うと、逆に恐ろしい気もする。