カーリー 〜二十一発の祝砲とプリンセスの休日〜

読了。

――いつか、もう一度会いましょう、パティ。
戦争が終わって、
この世から、イギリス領インドという国がなくなって、
ヒンドゥの人も、イスラム教徒も、みんなテーブルに食べられるものだけを並べて、同じ食卓に着ける日に。
それはきっとすぐに、やってくる。

転校生が来てひっちゃかめっちゃか、というのはテンプレ通り。しかしそこは寄宿舎、それだけでは終わらない。部屋替えによってカーリーが……という遠恋(?) な話な寄宿舎コメディ第2巻。


ううん、面白かった。
まず何より、ヒンディ語の発音練習。いやもう、「……たまらん」 ってそれ、いやもうこっちまで身悶えしてしまうじゃないか。何やってんだカーリー。あ、でも、普段は大人びてるけど、そういやまだ13歳、思春期真っ只中だった。
そして、終わりの始まり、ラスト付近の緊迫さといったら。吸血鬼の例えは分かりやすく怖いし、ええそんな、ここでそんな真相を明かしたら平穏な寄宿舎の物語には戻れないじゃないか!、と思ったのは案の定だったりするし。まあその辺はweb短編(→http://www.enterbrain.co.jp/fb/newbook/078/03/) で補充しましょうということで*1
社会情勢というか近代史も、1巻より分かりやすかった。1巻は大統領とかの名前をパッと出されたのが余計に混乱させられたのかも。国の名前ならまだしも人の名前は全くだし。国と人を即座に結び付けられないというか。


あと、ヘンリエッタの怪しい言動は次巻への伏線かと思いきや、自分もシオン、ユダヤってことだよね。

*1:2巻読むより先に読んでたけど。