GOSICK ―ゴシック―

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

読了。初桜庭。

「君、ゆめゆめ、人間の雄がそのような浮かれた動作をする原因は、決まっているのだよ。欲情だ。久城、君は柄にもなく欲情し浮かれ非常に機嫌の良い状態というわけだ。一人で花壇にいて欲情もなにもない。ゆえに君は女性とともにいた。それは憎からず思っている女性に違いない。そう”知恵の泉”がわたしに告げるのだよ

迷宮のような図書館の上の上、最上階にある植物園の入り口には、陶人形のような美しさを持った少女が佇んでいる。本を放射状に並べ、それらを無造作に流し読みしていた彼女は、いつものように「――退屈だ」 と呟き……な話。


それなり、かな。有名どころなだけに残念。
ミステリのようなサバイバルのようなツンデレのような。何が合わなかったかというと、やっぱりどうも会話が不自然に見えて仕方ないせいだろう。どうもふわふわしてるというか、地に足ついてないというか。
物語に入り込むためには、物語がきっちりしてないと駄目だ、ということなのかな。設定が不透明で、何回も「これ1巻だよね? 実は別の物語のスピンオフとかじゃないよね?」 と思うほど分かりにくかった。後に判明したのは、序盤で2,3箇所1ページ飛ばして読んでいたことで、そりゃ不透明で当然だという話。不幸な事故だ。
まあヴィクトリカ分だけを楽しみにあと数冊ほどは読んでみようかな。


あと、船に乗せた後に案内人がすぐ逃げた件は、「ランプをボートに投げ込んでボートを動かしただけで、実はまだ船内にいるよトリック」 と思ってそれを念頭において読んでたら、華麗にスルーされてしょんぼり。