ηなのに夢のよう
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/12
- メディア: 新書
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苛立たしいのでもない。
恐ろしいのでもない。
寂しいのでもない。
ただ悲しい。
悲しすぎる。
Gシリーズにして転換点、な6冊目。
良かった。最後のシーン単独で見て。
まあ、大筋はよく分からない、というのが本音。Gシリーズが全部刊行した後にS&Mから一気に読んだ方が絶対に理解しやすい。そっちの方が格段に楽しめるはず。最後の場面だけは前後の関係なしに良かったけれど。
色々な人が出てきて、「あれこれ誰だっけ聞いたことあるぞ」 というのばかりで、誰も彼もが怪しく見えてくるから困りもの。沓掛ってGシリーズ初出だよね。とりあえず「η」で既巻の不明確な部分が幾つか確定したと思うけど、そこはそれ、偉い人がまとめてくれるのを待つのみ。きっと誰かが分かりやすくまとめてくれるはず。私はそれを見て「ええーっ! 凄ーいっ!」 と沸き立つ観客の一人で良いから。だから誰かお願い。
以降は他の人の感想に反応したこと等を。ネタバレ注意。
――
・ああ、良かった、同じ人いた。物語とは関係ないけど最後で泣いたって人。だってしょうがないじゃない*1。トーマのは幸せな別れ方だと思います。向こうの部屋でぽっくり死んで行ってみると瞳孔開いてたってのもあることだし。
・自殺に対する考え方とか、死に対する考え方とかは、作者ブログを読んでるとだいぶ理解しているというか共感しているので、うんうんそうだよね、としか思えなかったり。ドライと言えばそうなんだけど、当然と言えば当然の考え方だと思う。テレビの報道番組に対する批判も今更って感じだ。
・事件の解決に関しては、既に諦めているというか、期待していた時期もあったけど、どうでもいいことだよね、結局。事件が解決しようがしまいが。登場人物たちのやり取りが見たいわけで、一応何らかの回答、真実ではなくとも一つの有り得べき可能性が提示されていればそれで十分。
・Gシリーズのキャラクタ達はもうコメディ担当でしかないけど、きっと最終巻では光ってくれることを期待してる。
*1:今ラジオで流れてる曲ですが