悪魔のミカタ⑤ グレイテストオリオン

再読。

「今大事の最中なのよ! 帰って!」
「そうはいかない! 僕の部員を放っておけるか!」 不退転の決意を込め、力の限り叫ぶ《部長》。「僕は君を助けるまで、助けて助けて助け尽くすまで、君がもう助けてと降参するまで帰らないぞぉ?」

知恵の実によって怪力を得たボクシング部員とボクシングをする話。


くぁぁ。面白い。面白すぎる。
圧倒的不利、しかしそんな状況だからこそ燃える。震える。
まあその辺は再読でタネが分かってればそれほど面白くはないんだけど*1、実はこのボクシング勝負すら前座で、続きにもっと衝撃的な話が待ってたりする。「泣ける」 と「感動」 の中間(中間?) で心が震える感じ。切ない、ともちょっと違う。ないまぜになった感じ。
そして、やはり印象に残るのは388頁のイハナ「冬月は、助けられなかった。だから、せめて」 辺りから。これは切なすぎる。普段は全然出てこない感情が一瞬だけ出て……、という。それと395頁の部長「誰よりも誰かの力になりたがる君が、どうして他人のそれを拒否する?」 からの流れはもう最高潮に震える。良い。良すぎる。


うーん、やっぱり「忘れたのか? ×××××だったことを」 的なセリフで主人公がはっ、と微かに思い出していくようなシーンは好きだなあ。かなり限定的だけど。どうしてかアドレナリンが出る。

*1:それでもなお燃える話でもあるけど。