悪魔のミカタ⑦ ストレイキャット リターン

再読。この巻でデビューからようやく1年、という驚異的な速筆ぶり。

天津甕星を――神を、にらむ。そして言う。
「あたしはなんと言われても、自分のペースで物語ります。……そのせいで、どうなっても……いい。仕方ない……」
《お、……お前は……》
「命がかかっているんじゃない。命を賭けているんです」

日奈に報復を果たす為、小鳥遊は日奈の観察を続けていた――友達のふりをしながら。日奈と小鳥遊の幼い頃を描く番外編・後編。


ふぅ、面白い。日奈マジ凄い、な話だった。
今度はほとんど忘れてたのが勝因(?)だろう。不覚にも日奈の語る千夜一夜物語に感動してしまった。『ごめんね』 の一言で解凍されていく心にため息が出る。ああ、良いなあ。ストレイキャットはハズレの印象だったんだけど、全くの思い違いだった。
この巻は、上記シーンや223頁の無玄「いつか、この日が来ると思いましてね」 とかがしみじみと良い。あとは、あとがきにある*1いんの片足を切り落とし、敵に回ったかつての友人」 とかもう『あががががが』 という感じ。当時も『気になる……っ!』 ぐらい思ったけど、伏線の消化が成されないままもう4年。どうなんだろう。本当。

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私的メモ。
・後に出てくる、”狐面の男”= 無玄 説というものがあって、この巻のこいつの行動を「変人なんだ」、で片付けず、そうと疑ってみると色々と見えてくるものがある。例えば、97頁「甕星の玉、別名まよ、ねみ……ま……」 とかはこいつが使ってた当時の別名なんじゃないか? とか。勘繰りだけど。
・この7巻のエピローグ最後の一文「齢十七歳の冬、だった」 からすると、666シリーズでいきなり願いが実現、なんて事はない様子。最悪別のことに《 It 》 使って振り出し、な展開もあったりするか……? と少し不安になったり。

*1:という所が不安なんだけど。