悪魔のミカタ⑨ It/ドッグデイズの終わり方

再読。

「何を言っているんスか!」
「指輪の話だよ」 声が再び、さきの独り言のごとく夢見を帯びる。「……ああ、素敵な指輪の話だ。とってもつらいことがあり、愛を信じられなくなっても、その指輪を見、同じくはめているであろうペアの相手を思っただけでしあわせになれる指輪だ。……ああそうとも、ふとそれを薬指に見出したとき、永遠を信じともにはめ合ったあの日のことを思い出せるような、一瞬の永遠を思いだせるような、そんな素敵な、実用的な指輪だよ。――どうだ?」 誇らしげに問う。「素敵だろ?」

三日目。コウ達は捕まった工房を助けるために、撫子たちの集うビルへ自ら攻め入ろうとしていた――ドッグデイズ後編。


ああ、面白い。やっぱドッグデイズ好きだ。
まず部長の信念を貫き通す姿に感動。128頁「それがぼくらのしあわせだ!」 なんかもう眩しすぎる。そしてその反面、部長の眩しさ故に堕ちていく撫子側の心理に、156頁「あなたの心は折れてはいない」 からの下りで更に感動。凝り固まったものが誰かの一言で解凍される、というのはストレイキャット後編と同じだけど、それでも良いものは良いのだから仕方ない。
そして海藤さんが渋キャラにチェンジ。ジョブもチェンジ。銀色の自動拳銃て! なんて固ゆで風味なんだろう。そして私はそれが大好物。でも逆に初読のときの印象が強すぎて、登場ページ数の少なさに「あれ?」 と思った。
あと「BOSS・ザ・ダンス/ウィズ/バン・バン・バン!」 の辺りも何となく好きw


私的メモ。
・この巻の「The・body」 は2巻の「ざぼでぃ」 のことで、「当時のカウンセラー」 は6巻より無玄のこと。封印のおかげで運命係数が上がって知恵の実と出会う確率が増え……と、いよいよ怪しさが増してくる。
・荒又常権之進は立て続けに許嫁に逃げられてたりする。