悪魔のミカタ⑪ It/ザ・ワン

再々読。分厚さ三連戦。

「――この町には、吸血鬼がいます。
だから、助けてください」

まんまと和歌丘に侵入した吸血鬼《ザ・ワン》 。広がる混沌の波に対し、いちはやく反乱の狼煙を上げたのは、三鷹昇、小学五年生の少年だった……It 編後半、ザ・ワン編前編。



意外に面白かった。やるなぁ。
ザ・ワン編の初読は評価がイマイチで、過去に再読もしたけどほとんど記憶に残ってない、そんな状態だけど面白かった。
終盤まではほぼ吸血鬼がいる世界の説明に等しくて、何度も何度も『本当に吸血鬼は悪なのか?』 が唱えられる。でも、その辺の問題の解決はだいたい覚えてるから、やっぱりそれほど面白くないかぁ……と思っていたら、最後の最後で引っくり返された! 450ページ中のラスト50ページ怒涛の展開はまさに鬼。392頁*1のエレナ「――今度、遊びに行ってもええ?」 はまさに引っくり返る瞬間。うひゃ!
あと海藤さんのクラスチェンジぶりが発揮されてきて、423頁の水彩「いったい、何が奇跡だったのか?」 からの下りは実によかった。


私的メモ。
三鷹昇の『母親が高久直子というのは、5巻での高久の子供の名前が「ノボル」 だったから』 というのは、それだけじゃ確証にはならないよなあ、とか思ってたけど、350頁「年末から年始にかけて〜母親は〜いなくなった」 の記述で納得。1巻って去年(コウが高1) の冬に起こった話なんだな。2巻で春に飛ぶから覚えてなかった。

*1:実際ここからがラスト50ページ