悪魔のミカタ⑬ It/MLN

再々読。我慢できずに読んでしまった。あまつさえ感想まで。ああ時間が

――いつになく饒舌な唯に、エレナはただ、抱擁に力をこめることで、答える。
もう、いいんだよ、とでもいうように。
だんだんと、言葉すくなになっていく唯。
やがて生まれた沈黙のなかで、エレナはつぶやくように、言った。
「……うちは、神さまと、約束をした」

サクラが見つかれば一巻の終わり――そんな状況で、だからこそ始まった美里とサクラのサバイバルだったが……It編/ザ・ワン編 完結。


ああ、面白い!
初読のときは巻と巻の間が空いたりして楽しめなかったけど、続けて読んだ今なら言える。面白い! と。もうなんか皆に泣いた。登場人物の想いに泣いた。引用するには多すぎて面倒になるくらいの数を泣いた。
102頁のサクラ「――逃げるな卑怯者」 とか、170頁の美里「来いよ! てめぇ!」 とか、197頁の海藤さん「(おれは後悔していない)」 とか、253頁のエレナ「突然浮かんだ恐ろしい、あまりにも恐ろしい考え」 とか……303頁の牧師「私はあっさり、絶望してしまったというのに」 とか、364頁の水彩「うそだ!」 とか、387頁の昇「――返すよ、父さん」 とか、471頁の遼子「そう、あなたには、名前があるの」とか……


あ、なんかもう本当に全員だなこれ。感動していった所をいちいち拾っていったらこんなことに。見事にそれぞれのキャラに見せ場がある。うわあ。すごい。