スプライトシュピーゲルⅠ

読了。シュピーゲルと言えばスパイク、な私のタイトル買い/初・冲方作品。

「いいか! 女の子のくせにボクなどと男子の一人称で自らを呼び慣わすなど、大変けしからん! そう冬真くんは仰せだ」
「い……言ってないよ、そんなこと!」
冬真――慌てて自弁。
「ただ、ちょっと意外に思っただけで……」
「ほら。つまり冬真くんは、自分をボクと呼ぶ女の子は非常識だ! そう仰っている」
「言ってないって!」

近未来のウィーンを舞台に、機械化された手足を持つ少女たちが駆け抜ける――! とかそんな感じで宗教があれこれする話。


なんだこの読みにくさ!
と第1話にして投げ出しそうになったけど、人間とは不思議なもんで、あとがきで作者が「これらの記号(+,=,/, etc)は読むものではなく『見る』 ものでござるゆえ」 と言ってる通り、慣れればサクサク読み進められた。読み飛ばしてるとも言う。
加えて、第3話くらいまでは人名がおぼつかない。「鳳=アゲハ/乙=ツバメ/雛=ヒビナ*1」 だなんて。雛はまだしも……。ねぇ。


肝心の内容はというと、まあ可もなく不可もなく。プロローグって感じ? かろうじて3話のオチに不覚をとったくらいで、後はもう淡々とした印象。やっぱオイレンの方と抱き合わせで読むべきかも?
オイレン1とスプライト2を読んで判断かな。


追記:他の人の感想を見てみると、淡々とした印象になった原因は、最後の「シティ・オブ・フェアリーテール」 に依るみたい。目標建造物に人が、それも子供がいた時点で「ああ、こいつら×××××だよな」 とおぼろげながら想像してしまったのが敗因のよう。鬱作品に毒されてるorz

*1:本文の/や=の使い方は本当にこんな感じ。