悪魔のミカタ666 スコルピオン・オープニング

読了。あとがきでhp短編に触れられてないな。

口の中に血の味が満ち、胸が、腕が思い出す。よみがえる。ぐっしょりと濡れた感触、温度が失われていく実感。その手の中で決定的な何かが消えていくのを止められない無力な自分のあの想い――
――何よりも好きな人がいた。

十分な量の魂を集めた堂島コウだが、ある異常が起きており……新装開幕・666。


くぅ、面白い!
しかしまあ、14巻だった。まごうことなき14巻。ブランクを感じさせることなく、13巻からそのままスライドしての14巻。たとえその間に2年半もの月日が横たわっていても、うえおはうえおだった。感謝。
伏線を解消するどころかどんどん張っていったり、剛速球ハーレム展開*1なラブコメに突入するのか? とか思ったり……「さすがに復帰一発目はアレか」 と思わせ、て、強烈なのがきた! お前がここでそんなことしてくるか……っ!! と唸らずにはいられなかった、さすが、な展開。熱い。熱すぎる。復帰後という不安を一発で払拭してくれた、満足な出来だった。


失いかけてた「( ゚∀゚)彡続き! 続き!」 メータが仮装大賞並にアップしたくらい、本当にもう、というかマジで、ここで失速しないでくれと願うばかり。




・私的メモ(含ネタバレ)。
綾に日奈の記憶が残っている』 という予測は、162頁「自分の耳を触っている綾」 や基地での洋平との会話からして、確定のよう。でも私が考えてたのは、それこそ心臓移植患者の術後の性質が変わるようなレベルだったんだけど……綾の変貌ぶりをよく考えると、『綾が突然賢くなった』 と考えるよりも、『日奈の(記憶や癖だけでなく) 思考法とかを諸々受け継いだ』 と考えた方が良さそう。
そしてそれを含めて考えると、251頁「先輩のことはいうほど知らないんだから」 という洋平の言い分は『日奈の仕草はよく知ってる』ということで、そして『その仕草が綾にも見られる』 という視点で、「最近の綾は変だ」 と言ってるんだろう。
追記:感想やスレを見て回って、諸説あったけど確実なのは『4巻のディープキスの後に花瓶を抱えてた』 理由が今回の岩のアレってことくらいか。そういやそんなのもあった。


・余談。
本を開いて、口絵を見て、何よりもまず思い浮かんだのは……、

連載が好評のうちに終了したとしよう!!
そしてその5年〜10年後にそいつの「続編」 が、同じ作者によって作られたとしても――
同じ作者が同じ手で! 同じように描いてるのに――
全然違うキャラになってるんだよ!!

――「新吼えろペン」 2巻

という台詞だけど、まあ些細なことは気にしないほうがいいよね。

*1:ただのハーレム――複数にもてもて!――に留まらない、まさに直球にして剛速球。