世界の中心、針山さん②

読了。

「だから総統、頼むよ」
それまで決して総統に敬意を見せなかったNo.37564だったが――その様子を横から見ていたシルクは、この戦闘員が、自分よりも余程忠誠心が強い事に気が付いた。
「殺せなんて命令しないでくれ。俺を、これ以上弱くしないでくれ。俺だけを……俺だけを弱虫にしないでくれ」

針山さんの周りにはおかしな事件が集まってくる。都市伝説や悪の戦闘員やゾンビ使い――だが、あたかも台風の目のように、彼の周囲は平穏極まりないもので……世界の中心? 第2巻。


うん、どこまでいってもこの作者らしい面白さ。
『としれじぇ2 ―たくしぃえれじぃ―』 は割とホラー……正直怖い、と思ってたら途中からSFチックに。緊張感が抜ける。『37564人目の悲劇』 の話はかなり好み。「常敗無敵」 って言葉が端的でいいなあ。それとあとがきで触れられてた「最初はヒーローに憧れていた下級戦闘員が〜、というのは同じコンセプトで私より遥かに面白いネットの創作物があったので没」 というのは、どう考えても「仮面ライダーになりたかった戦闘員」 じゃない? というかこの話の設定を見て、これを思い出したぐらい。ネタが被るってのも大変だ。『柏木クロスの真っ赤な死』 これは逆にヒーロー物。もちろん変則。レッドがブルーにキレるシーンがかっこいい。まさにヒーロー。”ゾンビ”になってもヒーローはヒーローだ! あと「変・身!」 の振り仮名が「キル・オール!」 なのには吹いたw


色々と前回の設定、特に「光島」 の話とかは忘れてたのがちょっと惜しかった。でもまあ楽しいのが成田作品。