pulpⅡ
- 作者: 森橋ビンゴ,隼優紀
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/03/30
- メディア: 文庫
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――思い出せ。
自分に言い聞かせる。
昨夜見た、魁と球の戦い、その動きを頭で反芻する。
――思い出せ。
一ヶ月前に嬢を魅了した彰の動きを思い浮かべる。
――思い出せ。
そして、父との生活。殴り、殴られしていてああの頃の事。今となっては懐かしく思う、あの頃の生活を。
――思い出せ!
日常を失くしてしまった嬢は、今になってそのかけがえの無さに気づいて――愛と狂気のパルプ・ストーリー。
これは化けた。
もっと静かに、「世界が」 とか「自分が」 とかって進むと思ってたけど、ライトノベルらしいガチャガチャした話になった。ま、それが楽しいかったりするんだけど。有り体に言えば悪魔のミカタのあの巻と同じ展開。違うのは”最後の最後で一矢報いる”部分かな。無感情に一刺しする瞬間の冷えた感じが良かった。
ただ、口絵の最後がもう、紛うことなきネタバレ、ネタバレの極地、ネタバレ総本山だったのがかなり残念。これがなかったらもっと楽しめた*1、と思うと残念で仕方ない。
さて3巻3巻。ちなみに引用文のようなフラッシュバックシーンが大好き。
*1:その口絵を見た瞬間に期待感が上がったのも否めない。