ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人

ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 (ゼータ文庫)

ドラグネット・ミラージュ2 10万ドルの恋人 (ゼータ文庫)

読了。西表島

マセラティも負けてはいなかった。赤信号に変わった瞬間の交差点を横切り、角の歩道に乗り上げながらも、姿勢を立て直してふたたび疾走する。虚をつかれた一般車両が、背後で急ブレーキをかけてスピンし、はげしい衝突が起きる。
「いいぞ。こういうのは何というんだったか……そう、『ハイな気分』 という奴だ!」
「もういやだ、殺してくれ!」
「窓はそこだぞ。勝手に死ね!」

異世界「レト・セマーニ」 と地球とを繋ぐ玄関口のサンテレサ市にて、ベテラン刑事マトバとセマーニ人の美少女剣士ティラナはペアを組み、特別風紀捜査官として様々な難事件に立ち向かう――ファンタジックポリスアクション第2巻。


くぅ、面白い! 待ってた甲斐があった。
もう ”アメリカ的なハードボイルド刑事ドラマの皮肉の言い” とかが大好物な私にとって、楽しめないはずがない、個人的に鉄板な本。
なんというか、もちろんキャラクタ達にも魅力があるんだけど、それを主人公から脇役から、皆が皆大なり小なり発していて、それが作り出す雰囲気が好きというか……。メインはやっぱりマトバとティラナの絡みだけど、その他もすごくいいってとこかな。
特に気に入ったのは、32頁「いやな奴」 からの女性からの攻勢のくだりとか、106頁「それでよく死なないな」 とか、184頁「差別用語」 からのくだり(特に車の思い出は哀愁が漂ってるw ) とか、207頁「出口はあっちだぞ!」 とか、引用文とか……もちろんボーナストラックも(笑) アレだとは分かってるんだけど、役者の実態が見えてくるのが面白い。


「きぬたさとし」 どこ行った! とか思ってたけど、あとがきをよく読むに”他シリーズを始めない、という言い訳としての架空の人物” ってことかな。