多重心世界シンフォニックハーツ 下.多声者の終焉

読了。

そこに立つ店の主は、いつもと同じように黙々とグラスを磨いていた。
ただ――
「――!」
モルト・フェアライトを目にしたソロは、驚いてその場に立ち尽くした。
そうしているうちに、モルトはグラスから顔をあげた。
「来るという話は聞いていたよ、ソロ」

半星府組織「シンフォニア」 と行動を共にするソロは、ショックで自閉したまま3ヶ月余りを過ごす。ファントムのことを受け容れられないソロは、自分の生きる意味すら未だに判らずにいて……。


うん、それなりに面白かった。楽しめた。
ただやっぱり、誰が誰だか分からない場面が多いのはどうにもならないなぁ。それでも、見える範囲では、割と綺麗に収まったとは思う。放置されてた伏線とかがあっても、「あ、そうなの?」 くらいにしか覚えてないだろうし。
個人的のお気に入りなのは、乙女な整備班長のバルガンかな。多重人格だと、コメディ用のキャラとシリアス用のキャラでギャップが出るのがいいよね。あとは医者のサラ・メイヤー(ともう片方の人格) とか。どっちも上巻では出てきてないけど。
あとは、引用文のあたりとか、392頁のフレディ「どうだ小僧、わかったか」 とか。この2つは文句なしにジワリと来た。モルトさんの姿を見たときに溢れるソロの想いと、自分自身に一矢報いようとするフレディは泣けてきた。



まあ、全体はともかく、場面場面では良い所があったし、次に期待かな。弾数はいっぱいあるらしいし。