ピーターパン・エンドロール

ピーターパン・エンドロール

ピーターパン・エンドロール

読了。新風舎第3弾。

「助けて――」
旅人さんは、つぶやいて、うつむいて。
「私の現実を助けて、真央ちゃん。私には――あなたしかいないのよ」
はい。私にも旅人さんしかいません。
ですから私を助けてください。虚構のままでいてください。

本当に現実は現実なのか。この世界にも読者が居て、現実は単なる虚構の失敗作なんじゃないか――ぐらつく足場に不安になる少女が出会ったのは、”たしかにここにいる” 少女だった……。


うう、グラッと来た。
何といってもラスト数ページが良い。一人称視点で進むので、主人公の発言が一切されず、相手の言葉だけが「」 に挟まれて進むんだけど……250頁「旅人さぁん――!」 の”叫び” がもう悲痛で悲痛で仕方ない。
「全てのウェンディは大人になる」 ってのは帯の言葉だけど、正にぴったりのフレーズだなぁ。


他の新風舎出版の日日日*1を面白いと思うならお勧め。

*1:ちなみに「ちーちゃんは悠久の向こう」 とリンクしてる。どっかで見た学校の配置だなぁ、と思ってはいたけど。町の中心に学校があって、南側に田園地帯。