きつねのはなし

きつねのはなし

きつねのはなし

読了。

薄闇の古都で
みた悪い夢。
目覚めても
夢の続きに
いるような。

前二作とは一線を画した、京都を舞台に起こる怪異を記した奇譚集。


まさに「悪い夢」 を見続けているような感覚。*1
まぁ何よりも、「よく分からない」 というのが感想。どうにも居心地が悪い。それは、各話同士が微妙にリンクしつつ、でもハッキリとした"解答" が存在しないせい? 実はちゃんとした答えがあるのかもしれないけど。
「あるような、ないような」 という、未知の恐怖というか暗がりに潜む何か、みたいなものが短編それぞれに雰囲気として漂っていて、なんだかよく分からないけど不安に陥れられる作品と言えるのかも。


そう考えると、表題作「きつねのはなし」 が一番分かりやすいかも。一番分かりやすく怖い。

*1:引用文は帯の文句で、実際に本文中にはないんだけど、まさにピッタリの言葉。