タザリア王国物語 黒狼の騎士

読了。

「なんでおまえがここにいるんだ!?」
闇の化身のごとく、漆黒の姿の男が突っ立っていた。
「それは私の台詞です、皇子」
騎士は剣の柄で男を殴りつけたらしく、気絶した男に眸もくれず、さっさと剣帯へと剣を戻すとジグリットを睨みつけた。
「ぼ、ぼくは……散歩だ」
「わたしもです」

学問や剣術、日々の生活をジューヌのように振舞うことで、ジグリットは何とか暮らしていたが……近衛隊長のフツに一目で看破されてしまう。


うん、前巻と同じくして面白い。密度は少し薄まったけど。
ただ、1巻の時から思ってたけど……見返しの公式紹介文が恥ずかしげもなくネタバレってのは勘弁して。あたかも「これまでのあらすじ」 を紹介するかのごとくネタバレだなんて酷すぎる。
今巻はもう、あとがきの「今回の仕事はファン・ダルタを男前に書くことだった」 の通りかなと。優しく見守る兄のような男前キャラはいいよねって話。「でもなんか段々、クールな男からジグリットにメロメロな男になってきているような……。しかもちょっと嫉妬深いような……。き、気のせいですよ。うん」 気のせいじゃないですよ。うん。


1冊を2巻と3巻に分冊したようで、リネアの活躍は次に持ち越しのよう。さてどうなるのかな。


余談。
読み終わってから少し経って「……。あれ、挿絵入ってなかったような」 と遅まきながら気づく。マジ遅い。読んでる時は全然違和感なかった。まあ、あってもなくても気にしないってことかな……。