カンバセイション・ピース

カンバセイション・ピース (新潮文庫)

カンバセイション・ピース (新潮文庫)

読了。

「横浜球場行くんだよ」
「また野球ですか。
毎日やってるじゃないですか。いい大人が毎日野球ばっかりやっててよく飽きませんよね」
「仕事だからな」
「エッ! 仕事だったんすかあ!」
「おれじゃないよ。選手がだよ」

小説家の私が妻、猫三匹と暮らし始めた東京・世田谷にある築五十年の一軒家。友人が経営する社員三人の会社が間借りをし、妻の姪も転がり込んだ。にぎやかだがゆったりと流れる日常。


長い!
6日の間ずっと、これだけしか読めなかった。まあ新刊は1冊しか積んでないしいいんだけど*1
何が長いって、家の鴨居を見て思い出したことをつらつらと書いてたり、包丁がまな板を叩くトントンという音が叔母を想起させるとか、水を遣っていてこっちの木は枝の配置と登りやすさが云々、あっちは云々とか……家の各部屋とか木の枝の配置とか、映像に出来たら分かりやすいんだろうけど。細かい想像は全く出来ないしなあ。
タイトルどおり、従兄弟たちとか居候たちとの会話が面白かったりするんだけど、やっぱり面倒な一人称の文章が多い。主人公が何度も思考の中に潜り込む。そのせいで、何度も眠りかけたし、何度も「今日はここまででいいや」 な思いに駆られた。
ただ、何度も主人公の思考を読んでる内に、一人の人間の思考を細部まで覗き見してる感覚が面白いのかも、とか思った。けどやっぱそれは錯覚で、そんなことでは全然なかった。


猫が好きなら楽しめる部分もあるかな。作者はどう考えても猫好きで、なんとなく、猫が死んだ過去をどうしていくのか、が書きたかったのかなとか思った。

*1:逆に古本は何冊も……。