メイド刑事4

読了。

「こんなお金、中学生が使うもんじゃないわ」
「要らない、つっても、じっちゃんがくれるんすよ。『その代わり、お金は活かして使いなさい』、そう言ってました。これがむだ遣いだとは、おいら、絶対に思わないんす。だって、葵姉さんのためなんすから」

葵が目を覚ますと、そこには血の海に沈んだ死体と、自らの右手に握られたままの血染めの出刃包丁――葵は、はめられたのだ!


あれ、けっこう楽しかったかも?
今回は、今までの短編連作形式をひっくり返して、1巻まるまる長尺スペシャルでレギュラー総出演の1作。既刊の印象としては「まあまあ面白いけど微妙感が漂う」 ぐらいだったんだけど……この巻は素直に楽しめた。なんでだろ。
……と考えた所で、どうも、作者があとがきで言ってる「長編ということで、瞬発力ではなく、ロジカルなつじつまを合わせていく、という」 方が好みなのかも。というよりむしろ、瞬発力重視の今までがあまり好きじゃなかった、かな。
個人的に気に入ったシーンは、引用文辺りと、139頁「「お掃除です」 「掃除だね」」 とか、282頁「あれは、君を裁きにかける秤だ」とか、304頁「あいつこそ、警察官だよ」。特に、今まで指令を与えるだけだった海堂が、今回では完璧すぎるかっこ良さだった。


3巻読了時では「なんか惰性だし、そろそろ切ってみようかな*1」 とか思ってたけど、やっぱ続き買うよ!

*1:それほど悪くない限り、往々にして続きを買ってしまうという悲しい性格。悪質なものを排除するより、良質なものを厳選する方が面倒くさいというか。