さよなら妖精

さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

読了。

「でも、もりやさん。それよりももっともっと、大事なことがあります」
言いつつ、机に座ったままでマーヤは、おれににじり寄る。
「これは、秘密です。内緒のことですよ」

覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、そして「哲学的意味がありますか？」 ――。ユーゴスラヴィアからやってきた少女との出会いがもたらしたものは。

うーん、米澤穂信の中では低位置かな。もちろん米澤穂信自体が上位なんだけど。
一見すると何でもないことでも、異国からきた少女・マーヤの「哲学的意味がありますか？」 というフィルタを通すと謎めいた事柄に早変わり、という話。
最後のアレに関しては、予想して然るべきというか、そういうことになっていてもおかしくない、という完全に一歩引いた視線で読んでたせいか、特段思うところも無く。「そうなんだ」 でスルーして、次は次は？　って思って読んでたら、残り10ページもないし、どう見てもエピローグでしかない。あー。
個人的にはむしろ、引用文の続きとか、太刀洗さんの最後の発露の方が衝撃的。特に前者。

なかなか評判がいいだけに、乗り切れなかったのは残念。次は犬。