犬はどこだ

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

読了。

「店員さんも感じいいですし」
「あいにく、あのマスターの妻だ」
「いや、別にどうこうしようって意味じゃないっすよ」
「ついでに、おれの妹だ」
ハンペーは私の顔を無礼なほどにまじまじと見、振り返って梓を見た。そして言下に、
「似てねー」

自営業を始めようと考えたとき、二番目に思い浮かんだのが調査事務所だった。そして<紺屋S&R>を開業。想定している業務内容はただ1種類――犬捜し。


面白かった。ただ最後はミステリとは違う方向へ行ったような。
10ページちょっと読んで、「犬はどこだってのはそういう意味か! ってことは連作短編?」 とか思ったけど違った。まんま長編一本。
125頁「忠告はしたぞ」 が笑えて仕方なかった。アホすぎる。あと、106頁「あれは、わかりやすい話でした」と163頁「わかりやすい話は、嫌いじゃない」 とか、” の親切すぎる行動” が何かの伏線かと思ってたらスルーだったり。後者はともかく、前者はどうなんだろ。<紺屋S&R>シリーズとして解消してくれるのかな。それとも、”保健所送りにする=殺すことに迷いを感じなくて” 嫌いじゃない、とか? それくらいしか思いつかない。


うーん、もっと面白かったはずなんだけど、具体的な箇所が思い浮かばないのは、付箋貼るのを忘れると読み返す気力がしないという、付箋を貼る習慣をつけた欠点かな。次はクドリャ。