ビンヅメ乙女ゴコロ

ビンヅメ乙女ゴコロ (HJ文庫)

ビンヅメ乙女ゴコロ (HJ文庫)

読了。

「顔を洗った後にタオルがないことに気づいて、戸棚を開けたら積んでたタオルが崩れ落ちてきて、歯磨きで歯茎を傷つけて、偶然テレビを見たら星占いが最下位で、着替えの時には棒タイがどっかいってて、髪をすいたら櫛の歯がちょっと欠けて、家を出た後は靴ひもがほどけて、知らずにそれを踏んで転びかけて、学校の階段でつまずいただけなの!」

いつも何かしらの不幸と共に生きる遥乃だが、今朝は”いつもより”マシであった。しかし学校帰りに襲ってきた不幸は、「返せえええぇぇっっ!!」 という声と、ついでに生首と共にやってきた。


うー、ん?
なんだかぶつ切りな印象。話がぶつ切りなわけじゃなくて、テンポととか流れとかが離散してる感じ。妖魔やら亜生物やらが人類と共存してるとか、その混血だと人間でも異能が使えるとか、の設定は違和感なく出来てると思うけど、地の文から会話から、読みにくい箇所が多々あった。すっきり頭に入ってこない。
例えば、46頁「嫌な予感がする」 とかは、『これは後でここがどういう意味か分かりますよー』 という”引っ張る” 文章のはずなのに、引っ張った先では特に強調されず、単に意味を提示するだけであっさり進行したり。主人公達の事情を分かった上で上記の文章を読んでも、まだ釈然としない。


「あしたびより」 は良かったんだけどなぁ……ずれてる感が拭えなかった。残念。