配達あかずきん 成風堂書店事件メモ

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

読了。

「さっきからうろうろしてるんだけど、ほしい本が見つけられなくって」
「どのような本ですか」
女性客が考えこんだので、杏子は補充しようと思って抱えていた新刊本を、ひとまず手近なブックトラックに載せた。
「それが、タイトルも書いた人もわからないの」
「はあ……」
「でね、どういう内容かも、よくわからないのよね」
「え?」

「書店の謎は書店人が解かなきゃ!」 ――本屋さんにまつわる事件や謎を、店員さんの視点から捉えたミステリ短編集。


なかなか良かった。
それこそ最初のほうはいまいちだったけど、表題作「配達あかずきん」 を読んでからは無理なく読めた。一見すると杏子が探偵役、多絵が牽引役だと思いがちで、その辺の違和感が微妙な心地にさせたのかも。
「パンダは囁く」―― 4冊目のタイトルでぞわっと来た。ゴルゴを寄越した書店員に非難を向けた……って思ったからw
「標野にて 君が袖振る」―― 正直、教授と弟さんがうほっ だと思 (ry
「配達あかずきん」―― 保護欲を掻き立てられる女の子と「食べるためだよォォォ」 みたいな話にどきどきした。
「六冊目のメッセージ」―― ここぞ、という所で176頁「恥ずかしくて……だめ」 には撃沈。あーもう!
「ディスプレイ・リプレイ」―― 「〜だったりして」 と思ったそのままがオチだったり。


「本好きでないと書店のバイトは務まらない」 とかっていうのが、なるほどよく分かる話。ていうか本好きでも務まる気が (ry お疲れ様です。