少女には向かない職業
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/09/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今日からおとうさんだ、よろしくな、と言ってくれた。持ち上げて振り回して、子犬をかわいがるようによくあたしと遊んでくれた。ぐりぐり頭を撫でて、葵はおてんばだなぁ、元気でいいぞ、と言ってくれた。
いい頃もあった。
怪物になったのは、いつなんだろう?
あたしたちは幸せをいつ失ったんだっけ?
「少女の魂は殺人には向かない。誰か最初にそう教えてくれればよかったのに」 大西葵十三歳。夏休みと冬休み、あたしは人を殺した――。
なかなか。
受ける印象は『砂糖菓子』 とあんまり変わってないけど*1、程度で言えばこっちの方がちょい上、というか、少し大きく揺さぶられたかな。しかしやっぱり、この作者は女子の集団行動とかその辺*2が上手いよなぁ。こわいこわい。私の経験じゃ、(傍から見てる分には) そういうことって全然感じなかったんだけど、田舎と都会の違いかな? とか未だに思ってる。都会の方じゃこういうのが普通だっぺかね゛ー、みたいな。
最後の最後、”テンションが切れた” 展開には何とも言えず、ため息がこぼれる。切ない、とも違うんだけど……何だろうこの気持ち。
新米警官の車の中での挙動が伏線かなー、とか思ってたんだけど、単純にこの人たちが少年課だからってだけかな。あと警官のおじさんの話は、いつか覚えといて無茶する子供に聞かせてやろう、とか思える話。
さて、他のハードカバーはやっぱり古本待ち。七竈と赤朽葉家だっけ。