しずるさんと底無し密室たち The Bottomless Closed-Rooms In The Limited World

読了。

「いらっしゃい、よーちゃん」
その彼女の微笑みに包まれて、私は……ちょっと言葉に詰まった。
それはいつもの光景だし、いつもの声だ。でも私はしずるさんと会う度に、なぜかとても新鮮な感じがする。
(ああ……)
それは不思議な感覚だ。なじみ深くて落ち着く、くつろいだ雰囲気と、初めての高揚が混じり合った、とても――
「――こんにちは、しずるさん」

白い病院に入院中の少女とその友人の二人は、今日も今日とて退屈しのぎに不思議な事件を追いかける。


ちょっと良い感じになってきた。
謎解きがメインなんだろうけど、正直驚きはしない、というか、まぁ今更どうでもいい結末ばかりというか。それよりも、間章である「チクタの冒険」 の方が興味があったりとか、よーちゃんのしずるさんを心配する不安な気持ちとかの方が、ずっと印象に残ってるかな。あとは「七倍の呪い」 で、”どんどん引き分ける” 展開に煽られてちょっぴり恐ろしい心持ちになったり。そういう予感を抱いたってだけで、結末はどうということもなかったけど。


七は孤独な数字、ってどこで聞いたかな……と思えば、真賀田四季だった。そうだそうだ。