100回泣くこと

100回泣くこと

100回泣くこと

読了。

「……そうかな」
「そりゃそうだよ」
「だけど今まで想像していた未来とは、違っちゃうでしょ?」
「違わないよ」 と、僕は言った。「そりゃちょっとした構図の変化はあるかもしれない。だけど絵の色は変わらないよ。絶対に変わらない」

実家の犬が危篤に陥ったと連絡があった。使っていなかったバイクを直すことにした。そして付き合っていた彼女に――。


おおーう。面白かった。
段々とこの作者と波長が合ってきた。「Like this.」 とか、テンポに乗ってる主人公の感じが良く伝わってくる。「月に吼える」 が面白かったから、その類型として面白いと思うんだろう。多分。……とか思ってたら、後半からは思いも寄らない*1方向に。引用文あたりはまだ大丈夫だけど、5クール6クールあたりになると……うわーあーあーあー。
175頁「彼女と一緒に泣けば良かったのだ」 は、『そういう状況に対する一つの正解だよなあ』 とか、179頁「僕は気付く。時間。」 にもなるほどなあ、とか。あと犬のブックのボディランゲージ(?) が、森博嗣の書くパスカルの言葉にも似て、無性に可愛い。


「リレキショ」 もまた今度読み返してみよう。今読んだら前より面白くなってそう。あとガソリンスタンドの確認。

*1:こんな展開は嫌だなあ、と予想はしてたけど。