リヴァースキス

リヴァースキス (電撃文庫)

リヴァースキス (電撃文庫)

読了。

「俺には末村善っていうきちんとした名前があるんだ!」
言ってしまってから後悔した。予想通りの反応が返ってきた。
「略して、据え膳、なんだね」
「ほっといてくれませんかねぇ!?」
「いただきます」
「やめてくれませんかねぇ!?」

ある朝目が覚めると、誰かに抱かれて眠っていた。誰だ? 自分だった。俺に抱かれていた。俺に俺が俺で抱かれていた。だけでなく、自分の胸と下半身に在るはずのないものとあって在るべきものがなかった。つまり――女になっていた。


普通に面白かったかな。
というのも、コメディとしてではなくて、物語として。それは予想GUY、な展開だった。わりと綺麗に謎が収まって、ラスト数ページの展開も実にスッキリしてた。女子(2人) も中々いい*1キャラしてた。男子連中(3人) の人の話を聞かない強引っぷりには辟易だったけど*2
この本は、コメディの評判を目にして追加で買ったんだけど、序盤の辺りでコメディには飽きてきたかなぁ。妙にテンションの高い会話についていけない、というか、私は基本的に頭の中で文章を読み上げながら進めるタイプなので、エクスクラメーションマーク連発の台詞は脳内再生するにはテンポが悪すぎた。逆にあとがきは高速再生できたんだけど。それと、途中で映画『大日本人』 の観賞を挟んだせいもあるかも*3。笑いのアンテナが松本人志的な方向を向いてしまった気がする。
あと、230ページ以降ぐらいから、”実はトモヨシって女じゃね?” とか思い始めたけど、見事に外れだった。”ブラを抵抗なく着ける” ところとかでそう思ったんだったかな……。そう考えると、色々な所が怪しく思えてしまう――むしろ”トモヨシ(あるいは生まれ変わり) =母じゃね?” などなど。飛躍もいい所だった。はわ。


次はどうしようかな。続編なら多分買わないだろうけど、気の迷いで買ってしまう気もする。

*1:「いい性格をしてる」 という意味での『いい』。

*2:何というか、しつこかった。何度も断られてるのに何度もアタックかけたりする所が。仕事に集中しないといけない時に、犬が何度もじゃれついてきて、もういい加減鬱陶しいんだけど!? みたいな。

*3:期待してたほど笑わなかったけれど。