DEAR DIARY1 寝起きの悪い定休日

寝起きの悪い定休日―DEAR DIARY〈1〉 (富士見ミステリー文庫)

寝起きの悪い定休日―DEAR DIARY〈1〉 (富士見ミステリー文庫)

読了。

「秋葉。人付き合いのコツを教えてあげましょうか」
そして返そうと秋葉がする前に夏芽はそんなことを言い出した。
「何?」
「相手が大切に思っていることを大切にして嫌がることはしないようにする。残りは自分の好きなようにする」

本編では語られない、正吾と友人たちの友情や恋愛を描いた短編集。


まあまあ。
一応「4巻と5巻の間の物語」 と想定はしてあるものの、完全にROOMの方に(人気が) 移行してしまっていて、最後の残滓と言った感じの短編集。色々と伏線を放置ぎみだけど、楽しむだけなら大丈夫。
良かったのは、表題作の「寝起きの悪い定休日」 と「母に礼言う春休み」。前者は特に133-134頁「泣いてしまいそうだった」 あたりは、まさに新井輝と言った具合。この感情込めたやり取りはなかなか凄い。後者はもう、お母さんがとにかく良かった。引用文はそのシーンだけど、最後の一文以前はよくある文章。『そんなことなかなか出来ないよなぁ』 と諦めがちになってしまうけど、「残りは自分の好きなようにする」 っていうのが、凄く良い落とし所というか、腑に落ちた。『そうか、それでいいんだ』 という感じ。


続きが出たらもちろん買うけれど、まあ……。


余談。
この人のイラストは好きなんだけど、やっぱりシリーズ絵師と違う絵師というポジションとなると微妙。イラスト単体で見ると普通なんだけど、挿絵としては違和感があるなあ。