大日本人
- 作者: 日経エンタテインメント!
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/06/01
- メディア: 雑誌
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (41件) を見る
細かなあらすじ一つとっても、ネタバレは未観賞の人にとって多大な影響を与えるものと思われます。注意!
-
- -
-
- -
「雨降ってるよ?」
(折り畳み傘を指して) 「いつも持ち歩いてるって言ってるだろ〜?」
「マメだねぇ」
「大日本人だよぉ!」
*1
大日本人――変身して巨大化し、どこからともなくやってくる”獣” と闘い日本を守る職業。「大日本人トランプ」 「大日本人フィギュア」 などのグッズが売られ、人々が大勢押し寄せる中を凱旋する様はまさに正義のヒーローであった……というのは2代前の話。ブームも衰退し、現在の日本で大日本人を務めるのは大佐藤大(だいさとう まさる) ただ一人であった。
うーん、意外と大笑いということは少なかったかな。
やっぱこういうのはツッコミがあってこそ万人が笑えるというか。基本的にボケっぱなしで、ツッコミを入れるのは観客任せなので、まずどこにボケがあるのかを見つける作業から――ということで、人によって評価が分かれるのが自然かな、と勝手に想像しています。
ただ、私見ですが、面白かったのは『巨大化する正義のヒーローが現実にいたら』 と『マスコミの視聴率本位ないやらしさ』 を徹底的に突き詰めて表現したことかな、と思います。
前者は、正義のヒーローが職業といっても、給料の出所はスポンサなわけで、つまりは視聴率や注目度が重要ということで……ということ。巨大化した後の体に広告を付けたりとか*2 、スキャンダルでスポンサが激怒して主人公の立場が悪くなったりとか、逆に敵にボコボコにされた時に視聴率が急上昇して結果的には歓迎されたりとか。
後者は、*3 主人公へ”そんなこと見れば分かるだろ! というか明言したくなくて誤魔化してるのが分かるだろ!” というような事をあえて質問して本人に喋らせたりとか、大日本人へと変身する時の儀式を、
「もう一度『ヤーッ!』 の所からやって貰えます?」
と中断させたり、敵にボコボコにされた時の放送のことを街中で道行く人にインタビューして回って、
「見ました?」
「見た見た。凄かったよな」
(別の人にインタビュー)
「見ました?」
「見ましたー。やられたというか、やるのが面白かったよねー」
ということを何人にも訊ねたり。これって、「見た」 って言った人のインタビューしか放送してないくせに、全員の「見た」 と答えた所を放送して、あたかも多くの人が見ていたかのように見せかける*4ってことだよね。
まあ、笑えた部分も結構あったんですが、それもシュールな笑いが多くて、例えば
「何でこの仕事をやってるんですか?」
という質問に
「……………………それはー、伝統だからね。あの、僕がね、考えるにはね、伝統というのは (ry」
って答えて”明らかに適当なこと言ってるだろそれ!?” みたいな。また、赤ちゃんが
「よしんばそれほど離れていなかったとしても二馬身は差があったよ」
とか寝言でしかも早口で呟いたりとか。……これで爆笑、みたいなことは流石にないよなあ。
うーん、まあ、ただ思いっきり笑いたいだけならニコニコ動画やyoutubeで「ごっつ」 見てれば事足りるよね、ということかな。