HEARTBEAT

HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)

HEARTBEAT (ミステリ・フロンティア)

読了。

「誰がどう考えても結論はひとつだ」
そんなふうに言ってわたしたちを見た。ぜんぜんわかんない。
「結論はひとつなんだが、今一つ見えてこないものがあるな」
「なに?」
原之井さんが巡矢さんに訊いた。いまひとつどころかぜんぜんわかんないってば。
「幽霊が多すぎる」

僕はN.Y.の《暗闇》にいた。どうしようもなかった僕をそこから救い上げてくれたのは、彼女と交わした10年前の約束。彼女が失踪していると聞いたとき、絶対に捜し出すと決意した。あの時救えなかった彼女を、今度こそ、約束を果たすため――。


それなりには良かったかな。
というのも、途中に挟まる挿話とか、細かい場面場面ではそう言えるけど、全体のストーリーとしてはなんだか肩透かしを食らった気分。二つの話が同時進行していくんだけど、その二つの話の関連を穿ちながら読んでいったら、どんどん頭がこんがらがっていって、「Girl's side」 が終わる頃には『結局そんな単純な話か!』 というところに着地してしまった。ううむ。
青春小説の面もあるんだけど、これも広げるだけ広げておいて、やっぱり微妙な着地だったような……。この本にも限らず、一般文芸って「え、ここで終わり?」 みたいなのが多い気がする。たぶん読み方が良くないと思うんだけど。ライトノベルに特化した頭になってしまっているのかなあ。そう考えると実に惜しい。


この作者も図書館で借りてこればいいかな……。ハードカバーの置き場所が問題です。