メビウス・レター

メビウス・レター (講談社文庫)

メビウス・レター (講談社文庫)

読了。

ねえ、キミ。やはり僕のやったことはまちがいではなかったよね。あの手紙に記されていることも含めて、真実はすべて闇に葬られてしまったのだけど、きっと成瀬はわかってくれると思う。
もう一度言うよ、すべては終わったんだ。ぼくは二度と真実を白日のもとにさらすことはないだろう。だけど信じてほしい、友人たちよ。事件は、ある形をもって終了したんだ。

数年前、男子高校生が焼身自殺を遂げた。その真相を追及した手紙が、作家・阿坂龍一郎宛てに届けられる。なぜこんなものが? そして同時に阿坂を付け狙うストーカーに、担当編集の殺人。一体なにが起こっているのか?


うーん、惜しい。
真相が分かってきた辺りから、次々と謎が解けていくハイスピード感が味わえそうな気配だったんだけど……。そこで中断してから一眠り、次の日の朝に続きを読んだら、見事なほどに驚かなかった。真相はけっこう凄いことになってると思うんだけど。こりゃ参った。
247頁の先生の演説は、なかなか気持ちよかった。こういうキャラクタの反転は凄く好き。長いから引用しないけど。そういや『学校の階段』 にも似たような言葉があった気が……。


「すべてがひっくり返る驚愕の結末とは!?」 とか言われると、読んでる途中で自分で何度も”試しにひっくり返してみる” せいで、驚かなかったのかも。やっぱ、こういうのはあらすじや紹介文を読むべきじゃないなあ。