世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1988/10
- メディア: 文庫
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「懲りるのは良いことだ。人は懲りると用心深くなる。用心深くなると怪我をしなくなる。良い樵というのは体にひとつだけ傷を持っているもんさ。それ以上でもなく、それ以下でもない。ひとつだけさ。俺の言ってることはあんたわかるよな?」
老博士と再会した<私> は、秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。<私> の行く先は永遠の生か、それとも死か? そして又、[世界の終り] の街から<僕> は脱出できるのか? 同時進行する二つの物語。
まあまあ。
というのもエンタテインメントの視点でだけど。やっぱり、自分で色々と考えるべき事柄がある、というのは面倒くさい。エンタテインメントなら読んでいる間だけ熱中していればいいけれど、なんというか、1日1冊を消化するような読み方じゃあ十分に読み解けない類の本だったように思う。
最終的には二つの世界がもっと明確な形で繋がるかな、と思ってたんだけど、まあやっぱり、そんなことでもなかった。286頁『ダニー・ボーイ』 あたりが一番繋がりが濃くて、「この後に劇的に二つの世界が交錯し出す」 とか期待してたんだけど。
単純に”死に向かう主人公” と、”心を見つめる主人公” との二つの物語が、ある繋がりによって結び付けられている、というだけで、その繋がりをドラマティックに楽しむんじゃなくて、個々の物語をそれはそれとして楽しむものだったかな。
結局お茶を濁すようなことしか書いてないけど、やっぱりこの頭の中のぐるぐるを言語化しきれないので、ここまででいいや。思考停止。