図書館内乱

図書館内乱

図書館内乱

読了。

「今さら憧れちゃったんだ?」
「ち、違っ……!」
「教官たちに?」
複数形にされて嵌められたと気づく。
「――そうよッ!」

両親に戦闘職であることをひた隠しにしていた笠原だが、遂に二人が上京してくることに! 「一、両親撹乱作戦」 他、各キャラに焦点を据えた話集。


おおお、面白い。
笠原・小牧・柴崎・手塚と各キャラクタを掘り下げつつ、第五話で他4編の伏線を回収しつつ……「キャ――――――――――――――!?」 と一緒に叫び出したくなる、見事な話の展開でした。そして「内乱」 と示す通り、複雑な図書館機構の事情もどんどん膨らんでいき……いやあ堪能堪能。1,600円でこの密度とは、価値は十分、いやさ十二分ですよ*1
68頁「どうやら何か思いを託された」 託すっていいですよね。一点集中な感じ。195頁「ちょっと!」 この、緊迫した心に風穴開ける一言が。後281頁「堂上の指示が、欲求よりも強く自分を律した」 で、『もう”堂上>王子様”じゃなーい?』 とか……まあ、他の(298頁)「何、このベタ甘の会話は」 みたいな部分も含め、今やどうでもいいことです。


レインツリーはどうしようかな、と悩み中。別に読まなくても問題なさそう。




余談。
1巻に引き続き、栞にした帯と新聞の切り抜き(作者写真付き) が。なんか楽しい。

*1:同じ電撃ハードカバーでも「シフト」 とはえらい違いと言わざるを得ません。いやまあ、シフトも好きで、面白さに密度は関係ないですが。プラス要素ではあります。