図書館危機

図書館危機

図書館危機

読了。

「わざわざ見に来るほどのもんでもなかったでしょう」
「わざわざ見に来るほどのものでしたねえ」
香坂はいたずらっぽく玄田の台詞をそのまま返した。
「折口さんに言われました。僕の芸風の参考にはならないって。確かに今はその通りです」
でも、と引っくり返した声は強かった。
「いつか必ずあなたのような役柄を演じられるようになります」

良化特務機関を痛烈に批判した絵が、茨城の美術展で大賞を獲った。それに伴い、笠原ら図書館特殊部隊は全隊をもって保護に当たる運びとなり――。茨城県展警備を長編に据え、短めの話も揃えた図書館シリーズ第3巻。


うん、面白かった。
前巻で揺り動かしを喰らった件について、”1,2話で解決して、その後の関係性の変化が少ない” のはちょっと残念だったかな。もうちょっと引っ張っても良かったのに。まあ、他の要素が薄くなるか……。
48頁「死ねばいいよ、お前」 KOEEEEEEEEEEEEEE。73頁「「昇任試験の実技、頑張ってくださいね」 それがとどめだ」 と、100頁「柴崎さんに来てもらうわよ」 には笑った。264頁「かかってこい!」 この言葉はどこで聞いても燃える言葉だよなあ。そして315頁「普通こう来ます!?」 から始まるやり取りは、皆の泣き笑いが直に伝わってきてもう凄かった。泣き笑いて。今までの読書経験でも、なかなか味わえない珍しい感情。


次で最終巻「図書館革命」 。初冬ということで11月あたり? しかし革命か……どうなんだろ。




余談。
イラストのクオリティが相変わらず高くて笑った。柄杓とかボールペンとかクッキー寄せ集めとか。