操り世界のエトランジェ 第一幕 糸仕掛けのプロット
繰り世界のエトランジェ〈第1幕〉糸仕掛けのプロット (角川スニーカー文庫)
- 作者: 赤月黎,甘福あまね
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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「おかしな男だ――お前みたいな異能、初めて見たぞ」
「オレも、お前みたいな可愛い”化け物” 初めて見た」
「な――」
カタナはぼっと、火が点いたように赤くなり、
「ふざけるなと言っただろう!」
万物を自在に操る”操糸術” を持つ透真は、失踪した母を探すため、通り魔事件を調べることになった。そこで出会ったのは、ボロボロの制服の少女、漆黒のメイド、そして”蟲使い”。透真は術を駆使し、真相に迫ろうとするが――。
うわははは、これは面白い!
もう何だか笑ってしまいましたよ。逆に。こりゃもう笑うしかない、っていう。後半からの怒涛の展開に、「やっぱそうだよね……薄々感づいてはいたけれどっ!」 とか思ったのが運の尽き。ドスンドスンと次々に落とされてしまいました*1。この位で驚いているようじゃまだまだ未熟の身な気がしますが、まぁ楽しめた*2ので良しとします。
80頁「カタナにはピンク色のブラジャーが」 やっぱこいつが盗んでた。163頁「え、あ、はい、すみません」 には不覚にも笑ってしまった*3。そして最後の、275頁「愛の力です!」 と297頁「読者的にNO」 辺りは、何だか言葉がそぐわないというか、浮いているように感じた。あとがきの「大穴であるクラスメイト」 という発言も加えて、『何じゃそりゃ』 と思わざるをえない。
しかしまあ、細かい部分を抜きにすると、非常に面白かったので、次も期待。個人的には”メッセージカードを書いたのは母ではない” あたりも考えてみたりするんですが、まあ流石にそこは違うでしょうね……。
追記。
他の人の感想を見て回ると、軒並み「荒い」 とかだったりしますが、全然そうは感じませんでした。たぶん各人が「荒い」 と感じた描写の箇所は、元々それほど頭に入ってなかったかと思われます。何も考えずにストーリーだけ追ってたというか。少年漫画な展開だな、とは思いました。