学園カゲキ!

学園カゲキ! (ガガガ文庫 や 1-1)

学園カゲキ! (ガガガ文庫 や 1-1)

読了。

「おそるべし、学園カゲキ!

「いいか、野郎ども! ここでは目立ったやつの勝ちだ!」 ――CSなどの出現により、多チャンネル化テレビ時代*1が到来し、それと共に人材不足も露見してきた。そこで設立されたのが、タレント養成学校・歌劇学園。テレビ出演のチャンスが山ほどに転がるこの学園では、誰も彼もがスターとなることを夢見ている。……会澤拓海を除いて。


面白ぇえええ!
ありがちな学園モノに、ちょっと奇抜な設定を加えただけの純愛路線――というのが前半。 陰の差す不穏な言葉に、おおよその想像は『”衛星放送” の意味じゃなければ、やっぱ”隠し撮り” かなあ』 ぐらいだったんですが、道端でアレするラブラブ展開と直後のアレで『よもや”鬱展開” か!? ……と思いきや、悪くない方へ修正してきた。良かった良かった』 とか思い直して安心してる所に、202頁「果たして道化は誰なのか」 辺りで真正面から突っつかれました。
読み返してみると、引用文の台詞(79頁) は正にその通りだなあとか、150頁「躊躇するようではプロ失格か……」 は自分たちの良心のことか……とか、そして最後のオヤジの台詞、「ただの作り話じゃないか」 で一気に”BSカゲキ自体、つまりこの本の内容全部が「学園カゲキ」 なのかもしれない” という問いかけに突入するというラスト。いやもう素晴らしいですね。タイトルを深読みすれば肯定なんでしょうが……、気持ち的には香織&ママ寄りですね。さてどうでしょうか。


いやあ、なかなか凄かった。続編を出せる終わり方じゃないのが残念というか、いや逆にこれで良かったんだというか。

*1:ゴルゴ13の「アンダーグラウンド オーバー・ザ・スカイ2」 で似たような話をしてたことを思い出しました。