彼女はQ

彼女はQ(クイーン) (電撃文庫)

彼女はQ(クイーン) (電撃文庫)

読了。

「ギャンブラーにとっていちばん大切なのは自分がギャンブラーだとカモに悟られないこと。あなたも最初はあたしのことを絶交のカモだと思ったんじゃない? いいこと教えてあげる。周囲に目を配って、そこにカモがいなければ、カモはあなた自身なのよ」

灰谷亜美夏。本場の鉄火場でも見破られることのなかったイカサマの天才。看楽倉美子。確率を重んじる数学の天才。二人には一つの共通点がある。ある一人の男の子を狙っているのだ。一方は「運」 を、一方は「恋」 で。――古座間星斗。それは、天文学的確率を1に帰す、天下無敵の強運の持ち主。


まあ、やっぱ面白いよね。
題材がもう好きなジャンルだしね。やっぱりこれの醍醐味は”スティング!” ですよ。うん。*1
しかしまーあ、あれですね。初っ端からダービー兄(→参照) まんまですよね。能力もやってることも、”プロローグのオチ” まで一緒だったりしてw その後は対ダービー弟戦の承太郎なみに「だいたい覚えた」 とか言うし。まあ後者はこじつけですが。あと129頁「断じて否だ」 とか。ついつい連想してしまいます。
微妙にコン・ゲーム小説ではないので、楽しむべきは、やっぱり倉美子の恋の行方と古座間の強運ですかね。前者は、古座間のことを考えると思考がひらがな化してしまう妄想っぷりで、84頁「もうだめだ。かっこうよすぎる。ていこうできない」 とか。後者は、まあフィクションならではという奴ですが、266頁「リ・リ・スプリット。八枚全部」 とかもう笑えてきて仕方ありません。


一応次の予定もあるような終わり方ですが、どうでしょう。シリーズ通しての目的が資金集めしかないし、続けてもだれるような気がします。

*1:ただこれに関しては、初読よりも再読の方が、つまり、全員の手の内を知った上で「一撃」 の瞬間を読んだ方が、ずっと楽しいんだけど。