タクティカル・ジャッジメントSS4 詐欺師の生まれた日

読了。

「実はな。俺、予知能力が身についたらしいんだ」
――とうとうイっちゃたんだこの人……!
最初、私が抱いた感想はそんな感じだった。だってそうだろう。第一何の脈絡もないし、そもそもそんなものがこの世に実在するとは思えない。
でも世の中には口にしていいことと悪いことがある。もし先生イっちゃったんですねなどと言えば、先生は私をバラバラにして殺した挙句、あのときはイっちゃってましたと精神錯乱を主張して無罪を勝ち取るに違いない。

刑事事件専門の弁護士と自称する山鹿善行だが、どうして民事をそれほど嫌うようになったのか――? 「詐欺師の生まれた日」 その他7編の短編集


いや、うん、面白いんだけど……。
ネタに走りすぎ。体は大人、頭脳は子供” とかもうね。あとネット語が頻出したり。これはまあ知らない人には普通に見えるだろうから、まぁいいんだけど……前者は知ってること前提の話だし。「あれれー?」 とか言われると確かに笑っちゃうんだけど、逆に気が引けるというか、「こんなあからさまな流用ネタで笑いたくない……っ!」 とかいう心の作用が働いてしまったような気が。
唯一「過去のアヤマチ 〜おとうさんといっしょ〜」 のオチだけは、既刊と同じく「おぉー! さすが善行」 と思ったけど、関係ないけどこのサブタイトル書いてて恥ずかしい。


多分もう、このシリーズはこれで終わりかな。ファンタジアの方で題材を変えて似たようなことをしてくれるっぽいので、そちらに期待。