薔薇色にチェリースカ

薔薇色にチェリースカ (集英社スーパーダッシュ文庫)

薔薇色にチェリースカ (集英社スーパーダッシュ文庫)

読了。

〔何を躊躇している?〕
「別に……」
そう、さしたる問題ではない。たっぷりの湯が沸いたバスタブの前で、彼女が求めてきたのだ。
――わたしも一緒に入れろ――
それだけの話だ。たったそれだけの……って。

わたしの宿主になれ――目の前の女の子からそう言われた時、どうするべきか? 選択肢は幾つかあるだろうが、僕が取り得るのはただ一つ……ひたすら頷くだけだった。絞め殺されたくなければ。


うーん、まだまだ序章と言った感じ。
とりあえず「GOSICK」 に出てくるような閉鎖的な学園で、優生会という非公式組織が(生徒主体にも関わらず) 伝統的に圧倒的な権力を持つ中で、主人公はそれに真っ向から対立する新任理事長の走狗、という……なかなか濃い目の設定です。正直序盤はサッパリです。
学園の生徒は9割9部9厘で敵、という中で唯一味方となってくれるのが、2年ぶりの再会を果たした幼なじみの少女で、お互いの視点で回想を交えつつ話は進みます。最終的に二人の現在の関係を”交差する誓い” まで持って行くのに、割と複雑なルートを辿っているので、そのキャラ固めの1巻という感じですね。
そしてもう一人のメインキャラクタが件の宿借り少女で、こちらは割と謎を残したまま。とりあえずブカブカではなくピチピチの裸ワイシャツだったり、起き抜けの主人公のアレを”握りつぶしたり” します。


そんなわけで、まだまだ続刊を読まないと、という話ですが、流石に1巻かけただけあって濃密な三角関係になりそうです。まあ、あらすじ的には「超大型王道バトルファンジー」 なので、ラブコメ寄りにはならなさそうですが……。




余談。
銀カレ最終巻では「もっと露骨に市場原理に向き合います」 みたいなことが書いてあったような気がするんですが――?('A`) チェリーボムみたいなのを期待してたのに。というか元々5月刊行の予定だったんですね。near 全ボツか……。


余談2。
視点がコロコロと変わるんですが、行間に視点変更用のミニキャラが描かれてたりします。描かれてなかったりもします。おそらく「場面が同じで視点が変わる時のみミニキャラ追加」 なんでしょうが……つまり「場面かつ視点が変更だとミニキャラ無し」 なので、結局は視点変更に注意を払わざるを得ないという……。むしろ緩急の差がつくので余計に疲れます。