”文学少女”と慟哭の巡礼者
- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 文庫
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――コノハは、あたしのことが好き? あたしの目を見て、言ってみて。
――ねぇ、あたしが好き? あたしは大好きよ。コノハはあたしをどれくらい好き?
硝子でできた鈴のような可憐な声が、あの頃と同じように、ぼくの名前を呼んだ。
「コノハ」
再会する少女。過去と変わらず微笑むその姿。しかし彼女を中心として、心葉とその周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか――。”文学少女” が"想像" する、彼女の本当の願いとは。待望の第5弾。
もう最高。
全編にわたって響く、胸が軋みそうな低音がもう堪りませんな。流石に1巻から引っ張ってきたネタなだけはあります。男同士の殴り合いから女同士のキャットファイトまで、修羅場もいくつ潜ったでしょうか。もう打ちのめされっ放しです。ああもう本当最高。
そして、それだけ下がった分、浮上した時の感動というのもまた格別ですよ。初読時は、286頁「死んじゃダメぇぇぇ!」 なんて叫んでた所とか、363頁「ああ、何もかももうみんな透明だ」 の名言っぷりに心打たれましたが、感想を書くにあたりパラパラッと再読してみると、343頁「……あたしは……フツウのヒトに、なりたい」 から始まる皆の宣言とか、362頁「ぼくを幸せにしてくれてありがとう」 の応答に、もう涙が浮かんで仕方ありませんでしたよ*1。
「次からは卒業編」 ということで、分冊になるっぽいですね。今度こそ遠子先輩がメインヒロイン。まぁその前に番外編らしいですが、たぶん web 短編の”文学少女” の今日のおやつ+書き下ろしってとこでしょうかね。
余談。
今日のおやつ、最新話のななせの中学生みたいな恋愛っぷりはアレですよね。青春スーツ装着済み。
余談2。
特集:”文学少女” と禁断の妄執者たち
・表紙の遠子先輩は光り輝きすぎてて困ります。
・「声で魅せてよベイビー」 の作者のコメントがそのまんま理系すぎて笑った。
・幼い遠子 のイラストはどう見ても銃です。本当にありが (ry
*1:たぶん初読の時は、解決編の内容や意味する所に考えが向いてて、登場人物の感情を再生する回路がフリーズしてるんですね。