ムシウタ 00.夢の始まり

ムシウタ 00.夢の始まり  (角川スニーカー文庫 163-30)

ムシウタ 00.夢の始まり (角川スニーカー文庫 163-30)

読了。

「うう――」
「ホントは、どうしてほしいの? その口で、ちゃんと言ってみなさいよ!」
なぐられた頬を押さえた男の子の顔が、たちまち歪んでいく。
「た――」
利菜を見つめ返す男の子の瞳から、大粒の涙が溢れ出した。
「たすけて……」
「――ヨシ」
利菜は頷いた。男の子の胸から手を離し、にっこりと微笑む。
「あたしが、あなたをたすけてあげる」

”かっこう” は初めての任務で、暴走する”ふゆほたる” と出会った――4年前の二人の出会いと、知られざる”レイディーバード” 誕生を描いたムシウタ・中編集。


1巻とか全然覚えてないよ!
ムシウタ0巻ということで、既刊の補完なわけですが、多分これ1巻の補完ですよね。再読リストに入れておきましょうか。
『夢の始まり』……アニメでは「何このオリジナル展開」 とか思ってましたが、実は0巻と同じシーンがあったりしますね*1。あとアニメの土師がただの悪役ヅラのキャラで「土師ってこんなキャラだっけ?」 とか思ってましたが、やっぱり小説だと良いキャラしてました。多分アニメではこれから見せ場があるんでしょうが……今のままだとただの顎トンガリで終わってしまいそうで、それではあまりにあんまりですよね。
『夢の黄昏』……やっぱり1巻の記憶が薄いので、利菜のキャラは幼馴染やら信奉者やらの周辺情報しか覚えてないわけですが、これがなかなか噂に違わず、カリスマ性のあるキャラでした。困ってる人を救わずにはいられない性格と、その頭脳の切れの良さ。そして二つの夢――。あ、本当に、今から1巻読むと相当面白い気がしてきました。


というわけで、本編の原初とでも言うべき二つの話でした。




余談。
絵師のアニメ感想ふゆほたる日記を見てるせいか、イラストの詩歌が腹黒キャラに見えてしまったのはご愛嬌。

*1:もしかしたら1巻にもあったかも?