DOORS 1 まぜこぜ修繕屋

読了。

「ひゃうっ?」
触――いや、智紗はシュリンがいるのに気がつくと、体をもじもじさせながら、ドアの陰に身を引くと、そこからちょっと中を覗いて、
「な……なんでシュリンがいるのっ!?
お姉も! それならそうと言ってくれればいいのにっ! へ……変なところ見られちゃったじゃないっ!」

ある日、目が覚めると家中にドアがついていた。壁から天井から物置の奥から……どこもかしこも大小のドアがついていた。そして妹はリスになり、車には足が生え、信号機からはでろんとしたものが――1発ネタの短編連作集。


面白すぎる。
いやー家で読んでてよかった。もう顔が笑いっぱなし。スレイヤーズとか読んだことないけど、こんなノリなのかな……?
あらゆる並行世界が混ざり合い、”普通” という観念がまぜこぜに。全世界の”妹” という存在はリスになり、教室の椅子と机はバーカウンターのように縦長になり……そしてそれを不自然と思わなくなってしまった。主人公の家にあるドアは、一つ一つが並行世界のどれかに繋がっていて、そのドアをあちこち回って歪みを直していく、という話です。
説明すると長くなるし分かりにくいんですが、つまりは 『 「こんな世界は嫌だ」 という世界を一つ一つ回って行く』 という話ですかね。
はいまず一つ。引用文あたり、一見するとサービスシーンなんですが、ホラー以外の何物でもありません。ここらで十分笑ってたんですが、120頁「そーよね! ふつうはこれくらいつやつやしてるよね!」 で大・爆・笑。 面白すぎる……っ! いかん。これは非常にいかんですよ。家で読んでても周囲の目が気になるくらいですよ。その他にも、154頁「行き過ぎた妹文明は――」 とか、190頁「妹萌えは別腹」 とか、236頁「浴びると体がひりひりする」 とか。もう笑えて笑えて仕方ありません。


後半になってくると流石に飽きてきましたが……。というよりむしろ、前半がインパクト強すぎたんでしょうね。これは次も大いに期待ですよ。