でかい月だな

でかい月だな

でかい月だな

読了。図書館で借りてきたよシリーズ6。

こんな気持ちはおかしい。ぼくはこれまでずっと、もっといい世の中になればいいと思っていた。嘲笑も断罪も争いも卑怯もない、幸せな世の中になりますように。みんなが笑っていられますように――。それは口にした途端に陳腐になって、嘘にまみれてしまう気がして、だけど心の片隅ではずっと願っていたことなんだ。
今まさに、望み通りの世界が目の前にある。それなのに。ぼくはいったい何が気に食わないんだ?

友人に蹴り落とされた。完全に元のようには動かない足を抱えた僕は、周囲に存在する悪意を憎むようになっていた。家族。見舞いに来るクラスメイト達。テレビの中の紛争――。だがある日、それらの全てが解決された。全ての人間は心優しくなり、過去を悔い、紛争は収まった。……だけど僕は。


うーん、まあまあ面白かったような。
だけど中途半端かも。ライトノベル的なキャラクタというか設定なんだけど*1、展開はそこまで分かりやすいものでもなくて、その辺りのスイッチの切り替え*2が上手くできなかった気がします。
ただもちろん、そういうキャラは好きなので、楽しく読めたことは読めたかな。116頁「ぼくには太陽なんか作れやしないんだ」 とか、185頁「バカバカバカバカ! 死ね死ね死ね死ね!」 とかはいかにもって感じ。……前者はそうでもないかな。後者は、まあ、そのまんま。
後は、148頁「メロン様」 辺りとか、260頁「ぼくの友達は消えてしまった」 とかは、わりと泣いた。特に後者の、その後の主人公の選択が切なすぎる。


うん、まあ、やっぱり、それなりに面白かったかも。感想を書き始めた時よりは少し上方修正。作者の別の本はまだ出てないんですね。




私的メモ(付箋)。
p12, p63, p120, p148, p260

*1:偏屈な天才とか、眼帯(邪眼て!) +無言娘とか

*2:ライトノベルと一般文芸のそれぞれで読む姿勢が違います。