ドラゴンキラーあります

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーあります (C・NOVELSファンタジア)

読了。

「気分はどうだ?」
「悪いさ。いつだって悪い」
「いつも、こうなのか?」
「あん?」
「いや、こう度々平静を失うというのは、その、大変なのではないか?」
俺は口の端を持ち上げ、
「こういうときにぴったりの言葉がある。使い込まれてすっかり艶の出た言葉だな。一度しか言わないからよく聞け。余計なお世話だ」

俺は元軍人のココ。時々襲ってくる戦時の記憶に悩まされつつ、しがない便利屋として暮らしている。そんなある日出会ったのは、亡命中の皇女と護衛の女リリィだった。リリィは竜をも素手で殺せるふざけた肉体を持つ超人・ドラゴンキラーのくせに、人を殺すのも怖がる使えないヤツで……。規格外コンビのハードボイルド・ファンタジー


うん、評判どおりの面白さ。
何よりハードボイルドってのがいいですね。久しぶりにこういう感じの、軽口を叩きつつもかっちりした行動を取るキャラクタたち、みたいなのを読みました。人物紹介のキャラがそれぞれ、地に足着いた感があるのが良いですよ。パーマーとアズリルはそれ程でもありませんが、まぁ登場自体が少ないので。
23頁「やはり、女は尻だ」 あまり興味ないクチかと思ってたから不意打ちに笑った。124頁「じゃ、ちょっとでかけてくる」 前ページの「で、上手く行く公算は?」 「当たって砕けろ」 から、次のページでのこの、ちょっと所用を足してくる、みたいな気負いの無さ! これぞハードボイルドの醍醐味ですよ。163頁「何言ってんのかよく分かんねえよ。分かりやすく言え」 殺伐とした内容にも清涼剤は必要ですね。206頁「あなたたち、よく似てますよ」 戦いの後でこのやり取り……これは間違いなく和む\(^o^)/


規格外コンビと紹介文には書いてありますが、コンビを結成するという話なので、彼らのやり取りがまだ少ないのがちょっと不満です。が、まあそれは2巻から、ということでしょうね。さっさと読みます。