ドラゴンキラーいっぱいあります

ドラゴンキラーいっぱいあります (C・NOVELSファンタジア)

ドラゴンキラーいっぱいあります (C・NOVELSファンタジア)

読了。

「ココ、私は勝てるだろうか?」
「運が良けりゃ生き残る。力が無けりゃ死ぬ。お前も知ってるだろう? 勝負ってのは水物だ」
「勝て、とは言わないのだな」
「さあここで問題、お前の想像の中の俺は何て答えた?」
リリィは微笑すると、どうやら俺の声を真似て、
「言うわけねえだろ。馬鹿かお前。それに前にも言ったじゃねえか。優しい言葉が欲しけりゃ金払えよ屁垂れトカゲ」
と言った。

俺はしがない便利屋のココ。恐ろしく大喰らいのドラゴンキラーのリリィと、彼女が保護する少女・アルマ、そして黒猫まで養わされている。なのに仕事は謎のキャンセル続き。毎日毎日金欠でやりきれねえ。出来心で酔いどれ男を助けてみれば昔の上官。彼の世話もしょいこんでしまい、さらに所属不明のドラゴンキラーと遭遇し……ますます迷走ハードボイルド・ファンタジー!!


期待通り、1巻よりも面白い。
やっぱりココとリリィのやり取りにエンジンがかかってるからかな。作者の書き方が上手くなったとかそんな話じゃなくて*1むしろ、本領発揮、みたいな印象。1巻は二人が出会ってからでもちょっとよそよそしい感じが続くけど*2、2巻は最初っから飛ばしまくりで笑えてくる。
79頁「僕にはアズリルが居るからね」 その口絵のてててテテ手はどこに差し込まれてててててて (ry*3 51頁「小娘のように艶めいて見える。はは、よく似合っているぞココ」 92頁「いつでもどうぞ、指揮官殿?」 125頁「お前のお陰で救われたんだろう?」 193頁(※重大ネタバレ)「く、く、唇まで奪っておいて言うことがそれか!」 気の置けない関係って奴ですよ。4つ目の話の後のやり取りとか、もう堪りませんね。
とまあ、こんな感じで付箋を貼りまくったことからも判るようにかなり面白くて、それはもう楽しくて楽しくて仕方なかったんですが……2つ。(※重大ネタバレ)”リリィの蘇生” と(※重大ネタバレ)”ロブの死亡に暴れるアイロンの、直後の改心” が腑に落ちませんでした。すごく。とっても。
前者は、なかなかショックな出来事だったのに、それを収める理屈がなかったことが。後者は、切り替え早! ということで。まあ結局は”最初っから子供の方がとてつもなく大事だった”、ということなんでしょうが、それまでの話では完全に”ロブに依存しきっていた” と思っていました。


前者は後々にでもフォロー可、後者は考えを改めて読み返すと納得できなくもないですが、読んでる時はそんな風には思えませんから……その2つだけ、それだけですが、「面白い!……けど」 という、携帯電話会社の広告みたいな文を付けるような感想になってしまいました。残念。




余談。
まさかまさかのオチでしたが、次は”ドラゴンキラーなくなりました” とかになったら凄く面白そ (ry

*1:1巻発売の1ヵ月後に2巻発売という驚異の連続刊行だったらしいし。

*2:それがあんな風に変わって行く過程が面白いという感想の人もいたけど。

*3:肘かな? ちょっと分かりにくい。