イマジン秘蹟(サクラメント) 1
イマジン秘蹟(サクラメント)〈1〉魔女症候群(ヘクサドローム)の春 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 本田透,文倉十
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 文庫
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「悪かった。お詫びに、俺のことはこれからも心おきなく『お前』 と呼んでくれ」
「誠意が足りないにゅ。貴様はタマの脳内ランキング内で今から『貴様』 に格下げだにゅ。もう後がないにゅ、次に失言したら『ネズミ』 に転落させるにゅ。その暁には、貴様には語尾に『ちゅう』 をつけて喋らなければならないという恐ろしい罰が下されるにゅ。すっかりご町内の笑いものだにゅ」
「なんというおそろしい罰なんだ……そんなことになったら、もう家の外に出られない」
記念すべき高校初登校の日に俺の前に現われたのは、期待していた新しい日常ではなく、槍で校舎を破壊しまくる女生徒と、それに立ちはだかる今久留米航行異端審問部 <イマジン> という三人の少女 <エクソシスト> だった。
おお、面白い。
本田透という人は(名前は知ってますが) 初めて読みます*1。いやあ、これがなかなか、キッツい物語ですね。なんつーか、本文よりもあとがきの方がザックリしてます。本文の方は良質のエンタテインメントに仕上げられているんですが、作者がそれを書く背景みたいなのをあとがきで語ってて、それがこう、なんとも……ザックリしてるんです。ザックリ。
まあそれは置いといて、……基本的にヌルい会話が面白かったですね。引用文では、妄想炸裂の暴言に対して低温かつ淡白な返しをする主人公、っていう図ですね。相手は違えど大体においてこんな反応をします。マシンガントークの持ち主だったり嗜虐/被虐妄想を頻繁に口にしたり無口だったり、あるいは語尾に『にゅ』 がつくネコミミ娘だったり10年来の真性ひきこもり姉だったり。
しかし私が一番面白く感じたのは終盤での、光紗先輩のこれまでの行動の反動とか、ちょっとした鬱展開*2とかだったりします。特に光紗先輩が、これまたもう、照れ隠しに暴言吐くタイプですよ。暴言デレ? みたいな。多分そんな感じ。
主人公と姉の過去やその他で色々と謎が残ってるので、というかナンバリングがされているので、次もあるんでしょう。おそらく。期待。