煙突町の赤魔と絶望少年

煙突町の赤魔と絶望少年 (ファミ通文庫)

煙突町の赤魔と絶望少年 (ファミ通文庫)

読了。

「父さんな、子供の頃はこういうところに住んでたんだぞ! もっともっと狭かったけどな。あれに比べたら立派なもんだ!」
「へー」
気のない返事をして、愁太はおんぼろといっていい建物を見上げた。
(立派、ね。だから我慢しろってか? 冗談じゃないぜ)

親の都合により辺鄙な田舎町へ越してきた愁太。工場を中心としたその町では、一般街の空中部分にパイプが四方八方のびており、あたかも巨大な立体迷路のようで――。聞けば、この町には独特の都市伝説 <血錆び男> というものがあるという。


うーん、薄味。
まあ、ライトなノベルですね。帯にはフォークロア・ミステリーとか書いてありますが、むしろサスペンスですね。サスペンスもそれ程……なんですが、ミステリーは完全に違うでしょう。「不思議な」 「謎めいた」 という意味でなら合ってますけど。
しかしこの、主人公の12歳といった思春期っぷり、反抗期っぷりはなかなかストレートで良いですよ。親に何か言われてもほとんど返事をせず、かといって無視しているわけではなく、心の中ではしっかり返事を(毒づきつつも) している、という……。もうね。読んでて微妙な気分でしたよ。彼の態度を「懐かしい/身に覚えがある」 と思う反面、「それくらい我慢しろよ」 みたいに思うこともあって。なんともむずがゆい気持ちになります。


続きはたぶん買いません。一ページの真ん中に一文だけ、みたいなのもあまり好きではありませんし。