キノの旅 11―the Beautiful World―

キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫)

キノの旅〈11〉the Beautiful World (電撃文庫)

読了。

「これから先に会う人間は皆殺しだから、どうか、あんた達だけは覚えておいてくれよ。俺の名前は――、俺が確かに生きた証だからな。忘れないでくれよ」
「覚えておきましょう」

「不自然なほど良い道がある」 ――泥やぬかるみにタイヤを取られつつも、キノは言われた言葉を思い出して悪態をついた。だが森の中の悪路を抜けた先にあったのは、国の外にはあるまじき、しっかりと整備された道が続いていて……「道の話」 他10篇。


面白い。
11巻目なので、流石に飽きがくるような話や展開だったりするんでしょうが……刊行が1年に1冊ともなると、これがなかなか、楽しめます。この刊行ペースが2年も続いたころには、ちょっとガッカリしたもんですが、今ではこれくらいが丁度良い感じですね。
第七話「戦う人達の話」 もなかなか良いですが(230頁「再装填」 あたりから見方がずれていったり)、やっぱ第三話「アジン (略) の国」 が見事にしてやられた感がありますね! 最初に「何じゃらほい」 とか思わせといて、数ページ後に意味が分かって吹き出して”ギャグのような変な国” かと思わせておいて、実は”しんみりとする話” だったなんて。そして陸繋島の話を伏線として捉えると、まさか師匠は……っていうか、普通に話の流れとして”「アジン (ry」 を全部覚えてたんですね”。なんだかゴルゴ13じみてき (ry


あとがきの「もう2000〜2007の変化なんて気にならないヨ」 の「ヨ」 がなんだか可笑しくてたまりません。本当に来年でこんな風になってたら爆笑です。




余談。
陸のフッサフサぶり” につい笑ってしまいました。リアル描写だとこんな感じだったんですね。


余談2。
「アジン (略) の国」 でしてやられた、と思った理由は、「”タイトルと本文中に言われた国名” を比べると、明らかに後者の方が長いので、後者は”人口1004人全員の名前” かと思ってた」 ですね。まあ、最下段のドットを1セットとして数えてみると、”前者は472(1回目) → 472(2回目)、後者は463(1回目) → 477(2回目)” だったんですが。