悪魔のミカタ666 4 スコルピオン・デスロック

読了。

勝利の陰には敗北があり、必ずどこかに泣く者がいる。それを目にする者がいる。決意を新たにするものがいて、決意を受け継ぐものがいて、そうしたもろもろのことは決して珍しくない普通の出来事でしかなく、現実は、残酷で、どれだけ強く決意しようがそれだけでかなうはずもなく――
それでも、と願うなら。
立ち上がることができるなら。

《熱血化》 の影響をモロに受けた紅白祭も、いよいよ午後の部へ。勝てるはずの <スタッフ> が負け、負けていいはずの人物が勝ち……加速していく異常事態はそのままに、最後の競技 <棒鳥騎馬戦> へと突入する。紅白祭の行方は、そして洋平の思惑は――? スコルピオン編・クライマックス!


熱すぎる。
もう興奮しっぱなしの60分ですよ! (実際は150分くらいかかりましたが!) そして忘れていました、悪魔のミカタの”サブタイは全て《知恵の実》 の名前が入っている” ってことを……! 666編になってからサソリとカエルの話が何度かありましたが、そういう意味だったとは……! 騎馬戦の最終対決は「なんぞこれ」 と笑えてくるような展開でしたが、それを吹っ飛ばすような『祭りの後』 がもう、面白すぎてたまりません。
159頁「おれをあきらめさせてみろ」 あたりのコウの気迫とか、洋平の狙う先が分かった時とか、洋平の「倒すべき敵」 が判明した時とか……そして「オリオンの夢」 の答えとかで、もう、背筋が震えましたね。悪魔のミカタはこういう、怒涛の展開というか度肝を抜く展開というか、とにかくインパクトの強い話に打ち震えることが出来るから好きです。


最後の最後で、前巻のおまけ掌編の補完「おに!」 で笑い転がされたりして、もう本当に完敗です。乾杯です。




私的メモ。
24頁「恕宇の義父は、これまた日奈の父親と何かあるらしく」 たしかこれは、”無玄と日奈の父が一人の女性を取り合って、結局日奈の父が勝利した” とかいう話、ってのを推測できたはず。無玄が「月には72種類の呼び名が〜」 とか言ってる巻で。冬月由布子だったかな。
209頁「みかちゃんの名前にかけて?」 誰だそれ5人目か! また過去編でもやるの? ……とか思ってたら、”天津甕星の「甕ちゃん」” でしたね。そういやそんな呼び方だった気がする。


余談。
ここで2つの伏線解消? ”M.L.Nがついに登場! と、いつかのあとがきで「ジィが敵に、そしてその背後には――」 みたいな話で、背後にいるのはコウしか有り得ないと思ってましたが、「ノットB」 の線が強そうですね”。
「なんで”アトリの羽根が一対増えて” るの? どっかにそんな伏線あったっけ?」 とか思ってましたが、これは単純に”悪魔見習い → 見習い悪魔 → ???” というランクアップの過程って意味っぽいですね。もしかしたら、というか今の 《It》 の状況的に、4,5段階アップしてても不思議じゃないですし。